親が子供に教えられること

 親が子供に教えられることは数多あるかと思いますが、「穏やかさ」はその中で最も重要なものの一つであるかと思います。と同時に教えることがとても難しいことの一つではないかと思います。なぜなら親が本当に「穏やか」でなければならないからです。

 昨今の子供を取り巻く事情は、私が子供だった30年前に比べると変化しています。習い事は多くなり、友達関係は複雑になり、周りからのプレッシャーは強くなるばかり。学校が終わったら友達と『外で』遊ぶ時間はなく塾に、英語に、運動に。心に中々余裕は出てきません。

 もしかするとそれは、私たち親の心に余裕がなくなっていることが子供に反映しているのかもしれません。世の中がこうも先が見えないと、親の心が浮足立つのもしょうがないかもしれません。子供の将来を思う親心は美しいですが、それが焦り、心配を伴うと思いもよらない結果を呼ぶことになります。

 親が世の中の流れの一つ一つに右往左往することが無くなれば、子供自身も冷静で穏やかになり、やがては正しい判断が自分で出来るようになるかもしれません。結局の所、子供達の周りに起こるほとんどの問題は子供たち自身で解決しなければならないことが多いものです。そして問題解決の糸口となるのは「冷静さ」であり「穏やかさ」あるのではないかと思うのです。

 一番お金がかからずに、確実に子供に良い影響が与えられる方法は、親が大人としての正しい生き方を見せることだと思います。その一つが「穏やかさ」です。

『大人というのは落ち着いた人のことだ』と子供に思わせることが出来たら、それだけで十分子供にとって良い影響が与えられるのではないかと思います。

 こういった心の部分は木に例えれば、根であり幹です。英語も含めて習い事、技術は枝葉末節です。親がまずしなければならないのは、子供に何を習わすか、どういった大人になるか心配することではなく、いかに親自身がちゃんとした生き方をするかどうかではないかと、親になった今、日々思います。

 日々、自分が子供とって良い手本になっているかどうか常に反省することで、親自身も良い人生が送れるようになるのではないかと思います。